No.110 (ビスマルク外交とフランス第三共和政) :
「ビスマルク外交の目的と手段とは何か?」
ビスマルクはフランスの孤立化と、ドイツが強くなるための時間稼ぎとして
のヨーロッパの平和を目的とし、手段として、露・墺との三帝同盟(1873〜
78年)、伊・墺との三国同盟(1882〜1915年)を結んだ。そして新三帝同盟
が崩れると、その年のうちにビスマルクは露と再保障条約(1887年)を結ん
だ。これらは、仏と露が手を結ぶのを恐れたためである。
<評価の観点>
関心・意欲・態度:
ビスマルクが、外交面で統一完成後のドイツをどのようにヨーロッパの強国
にしていったのかについて、大きな関心を持ちながら学習に臨んでいる。
思考・判断:
イタリアのドイツへの接近は、チュニジアを巡るフランスとの争いにあり、
ロシアのドイツへの接近は、アフガニスタンを巡るイギリスとの争いにある
ことを、フランスにとってのアルジェリア防衛、イギリスにとってのインド
ルートの確保といった、各国の外交政策を的確に判断しながら考察している。
資料活用の技能・表現:
ビスマルク外交の第一期から第三期までの国際関係を、ドイツとフランスの
対立を中心とした見取り図として完成させることにより、ビスマルク外交の
意図やその成果を読み取っている。
知識・理解:
ビスマルク外交の目的は、フランスを孤立させておくことと、ドイツの強国
化の時間稼ぎのために平和と安定を目指したことであり、その手段は三帝同
盟や三国同盟、ロシアとの再保障条約であることについて、基本的な知識を
身につけている。